チーム改善の分析
人事データ(Generalist)と健康データを部・課の単位で掛け合わせ、チームの課題と打ち手を出します。表示はすべて架空のデータです。
個人の評価には使いません。表示するのは 10 人以上のチームの集計だけです。病名・健診の数値・ストレスチェックの個人の回答・面談の中身は、人事の画面に出しません。査定・昇給・昇格・配置の判断には使わず、職場を良くするためだけに使います。
根拠の強さの印
この画面の分析と仮説には、根拠の強さの印を付けています。
公的国の制度・国の研究班の方法仕事のストレス判定図・差の差の分析
論文査読付きの論文で報告あり考え方の根拠。区切りの数字までは決まらない
一部理論はあるが、この組み合わせの実証はない会社のデータで確かめる
仮説私たちの仮説会社のデータで確かめるまで「仮説」と出す
6分析したチーム
1要対応(総合健康リスク 150 以上)
2注意(120 以上)
3120 未満(注意の手前まで)
チームの一覧
| チーム | 人数 | 総合健康リスク(全国平均 100) | いきいき度(4 点満点) | 残業(月平均) | 有休の取得率 | 管理職 1 人の部下 | 半年の新規流入 | タイプ |
|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
| 営業 1 課 | 18 人 | 151・要対応 | 2.3 | 42 時間 | 48% | 18 人 | 22% | 燃え尽き注意 |
| 営業 2 課 | 14 人 | 109・120 未満 | 2.9 | 38 時間 | 66% | 7 人 | 7% | 頑張り |
| 開発部 第 1 課 | 22 人 | 118・120 未満 | 2.6 | 28 時間 | 71% | 11 人 | 5% | 停滞(組織改編の影響) |
| カスタマーサポート課 | 16 人 | 97・120 未満 | 2.1 | 12 時間 | 82% | 8 人 | 6% | 停滞 |
| 物流センター | 34 人 | 124・注意 | 2.5 | 31 時間 | 55% | 17 人 | 15% | 健康行動の課題 |
| 人事部 | 12 人 | 88・120 未満 | 3.1 | 18 時間 | 74% | 6 人 | 0% | いきいき |
公的総合健康リスクはストレスチェックの「仕事のストレス判定図」で計算しています(全国平均 = 100)。120 以上で注意・150 以上で要対応という線は、広く使われている運用の目安です。残業・有休・部下の人数・流入は Generalist の人事データです。
チームのタイプ(仕事の負担 × 仕事の資源) 論文仮説
仕事の負担 上ほど高い
燃え尽き注意(負担が高い・資源が少ない)
まず資源を足す。人を増やす・見る人数を減らす
営業 1 課物流センター頑張り(負担が高い・資源が多い)
支えで持ちこたえている。負担の上限を見張る
営業 2 課停滞(負担が低い・資源が少ない)
成長の機会と裁量を増やす
カスタマーサポート課開発部 第 1 課いきいき(負担が低い・資源が多い)
やり方を他のチームに広げる
人事部仕事の資源(上司の支援・部下の人数・有休・研修) 右ほど多い
チームごとの示唆と打ち手 仮説
営業 1 課 燃え尽き注意
- データで見えたこと
- 総合健康リスク 151(半年前より 18 上昇)。課長 1 人で部下 18 人。半年で 4 人が中途入社し、2 人分の欠員が続いている。上司の支援の点数が全国平均を下回る。
- 示唆 仮説
- 仕事の量より「支える仕組みが足りない」ことが主因の仮説。部下の人数が多く、新しく入った人の受け入れに課長の時間が取れていない。
- 打ち手の例
- ① 主任のリーダー役を 2 人置き、1 人が見る人数を 6〜9 人にする ② 欠員の補充を最優先にする ③ 中途入社者に 3 か月の受け入れ担当を付ける
- 効いたかの測り方
- 3 か月後・6 か月後の上司の支援の点数、総合健康リスク、残業、中途入社者の 1 年以内の離職率
開発部 第 1 課 停滞(組織改編の影響)
- データで見えたこと
- 3 か月前の組織改編で 2 つの課が合わさった。残業は少ないが、職場の一体感の点数が改編前より下がった。
- 示唆 仮説
- 負担ではなく「チームとしてのまとまり」が一時的に下がっている仮説。改編後 6 か月は同じ傾向が出やすい。
- 打ち手の例
- ① 改編後 6 か月は月 1 回の課の振り返り会 ② 旧 2 課の仕事のやり方をそろえる ③ 次の改編から、受け入れ期間の支援を標準の手順にする
- 効いたかの測り方
- 改編から 6 か月・12 か月の一体感の点数。他の改編した組織と並べて比べる
カスタマーサポート課 停滞
- データで見えたこと
- 残業も健康リスクも低いが、いきいき度が全社で最も低い。1 人あたりの研修時間は年 2 時間で全社平均の 4 分の 1。
- 示唆 仮説
- 負担が少ないのに活力が低いのは「成長の機会・裁量が少ない」仮説(仕事の資源の不足)。
- 打ち手の例
- ① 研修時間の確保 ② 問い合わせの分析など、裁量のある仕事を任せる ③ 他部署との短期のローテーション
- 効いたかの測り方
- いきいき度・成長の機会の点数、研修時間、異動希望の件数
物流センター 健康行動の課題
- データで見えたこと
- 深夜の勤務が多く、健診で再検査となった人の二次受診率が 41%(全社 68%)。総合健康リスク 124。
- 示唆 仮説
- 勤務の時間帯が理由で受診しにくい職場の仮説。病気の重さではなく、受診できる仕組みの問題。
- 打ち手の例
- ① 勤務時間内の二次受診を認める ② シフトの組み方で受診日を確保 ③ センター内での出張健診の検討
- 効いたかの測り方
- 二次受診率、受診までの日数、総合健康リスク
分析の 6 つのやり方
01
APPROACH 1
診断する
公的
いま、どのチームがどこで困っているか
ストレスチェックの「仕事のストレス判定図」(量の負担・裁量・上司の支援・同僚の支援 → 総合健康リスク。全国平均 100)に、残業・有休・欠員の人事データを並べる。
総合健康リスク = 量とコントロールの健康リスク × 職場の支援の健康リスク ÷ 100
02
APPROACH 2
原因をほどく
論文仮説
なぜそのチームはそうなっているか
「仕事の負担」と「仕事の資源」に分けて考える(JD-R モデル)。負担は残業・欠員・流入、資源は部下の人数・有休・研修時間・上司の支援。
チームのいきいき度 ≒ 資源 − 負担 + 職種・規模の違い(チーム単位の重回帰)
03
APPROACH 3
タイプに分ける
論文仮説
チームごとに打ち手を変える
負担の高い・低いと資源の高い・低いで 4 つに分ける(燃え尽き注意・頑張り・停滞・いきいき)。同じ打ち手を全チームに配らない。
負担の点数と資源の点数の 2 軸。全社の中央値で区切る
04
APPROACH 4
先回りする
一部
このままだと、どのチームで休職・離職が増えるか
前の期の総合健康リスク・残業の増え方・有休の減り方・新規流入から、次の期のチームの休職と離職の発生率を見積もる。個人ではなくチームの見積もり。
次の半年のチームの休職・離職の発生率 ~ 前の期のリスク + 残業の増え方 + 有休 + 流入
05
APPROACH 5
効いたかを測る
公的
打ち手に効果があったか
打ち手を入れたチームと入れていないチームで、前と後の変化の差を比べる(差の差の分析)。繁忙期・組織改編の影響を人事データで外す。
効果 =(入れたチームの変化)−(入れていないチームの変化)
06
APPROACH 6
経営と開示につなぐ
公的推計
健康経営と人的資本の成果として示す
経済産業省の健康経営戦略マップの順(施策 → 受診率・面接実施率 → 高ストレス者の割合 → プレゼンティーズム・休職・いきいき度)でチームの数字を積み上げ、経営と開示の資料にする。
健康投資の効果 = 休職日数の減少 × 平均の人件費(推計)+ プレゼンティーズムの改善
何と何を掛け合わせると、何が分かるか(仮説 12 本)
| 掛け合わせる人事データ(Generalist) | 見る結果(健康管理システム) | 出てくる示唆(仮説) | 打ち手 | 根拠の強さ |
|---|---|---|---|---|
| 管理職 1 人あたりの部下の人数 | 上司の支援の点数・職場の支援の健康リスク | 部下が多いチームほど上司の支援が下がるなら、見る人数が多すぎる(何人で下がるかは会社のデータで確かめる) | リーダー役の設置・課の分割 | 論文 |
| チームの欠員(定員 − 在籍)・半年の新規流入の割合 | 量の負担の点数・総合健康リスク | 欠員と流入が重なるチームは、教える負担で量の負担が上がる | 補充の優先順位・受け入れ担当 | 一部 |
| 残業の平均と、ばらつき(特定の人への偏り) | 高ストレス者の割合・長時間労働の面接件数 | 平均より偏りの大きさが効いているなら、仕事の割り振りの問題 | 仕事の割り振りの見直し | 公的仮説 |
| 有休の取得率・連続休暇の取得 | 総合健康リスク・いきいき度 | 休みを取れているチームは同じ残業でも健康リスクが低い | 計画的な休暇の取得 | 仮説 |
| 組織改編・管理職交代からの経過月数 | 職場の一体感・上司の支援の点数 | 改編後何か月で元に戻るかが分かる | 受け入れ期間の支援を標準化 | 仮説 |
| 中途入社の比率・在籍年数のばらつき | 同僚の支援・職場の一体感 | 新しい人が多いチームで同僚の支援が下がる | 受け入れの仕組み・チームづくりの場 | 仮説 |
| 1 人あたりの研修時間・異動の機会 | いきいき度・成長の機会の点数 | 負担が低くても資源が少ないと活力が下がる | 研修・ローテーションへの投資 | 論文 |
| 在宅勤務の比率 | 同僚の支援・職場の一体感 | 在宅が多いチームで一体感が下がるなら、集まる日を設計する | 出社日の設計・オンラインの交流 | 仮説 |
| 前の期の総合健康リスクと残業の増え方 | 次の半年のチームの休職・離職の発生率 | どのくらいの水準を超えると休職・離職が増えるかの目安が分かる | 早めの職場改善・人員の手当て | 一部 |
| 健診の再検査の二次受診率 × 勤務の時間帯(深夜・シフト) | 二次受診率・受診までの日数 | 勤務形態が受診の妨げになっている職場が分かる | 勤務時間内の受診・出張健診 | 仮説 |
| チームの総合健康リスク・いきいき度 | チームの業績(目標達成率・1 人あたり売上・品質) | 健康の指標が良いチームは業績も安定しているかを確かめる(相関) | 健康経営の投資判断の材料 | 一部 |
| 休職の発生件数と日数 × 平均の人件費 | 健康に起因する損失の推計額 | チームごとの損失の大きさで改善の優先順位を付ける | 経営向けレポート・人的資本開示 | 公的推計 |
ここに書いた関係は仮説です。実際の顧客のデータで確かめてから使います。相関があっても原因とは限りません。繁忙期・組織改編・人員の構成の違いを人事データで外して比べます。
やらない分析
- 個人の健康状態・病名・健診の数値・ストレスの結果を、査定・昇給・昇格・配置に使う分析
- 人数が少なく、個人が分かってしまうチームの集計(10 人未満のチームは上の組織にまとめて出す)
- 個人の休職・離職のリスクを点数にして、処遇や採用に使う分析
- チームの健康の数字で管理職を評価すること(管理職を支援する対象を選ぶためにだけ使う)